Message from CEO

総合インフラサービス企業として
社会課題を解決することを
自らのビジネスモデルに。

取締役 代表執行役社長 兼 CEO
岐部 ⼀誠

Message from our Representative Executive Officer, President and CEO

Message from our Representative Executive Officer, President and CEO

Theme 01

日本の公共インフラを、
どうすれば未来に向けて
維持できるのか。

いま日本は多くの社会課題を抱えており、なかでも重大なのが、生活を支える公共インフラに関わる問題です。日本は戦後、高度経済成長期に道路を次々と建設し、生活向上のための上下水道網を短期間で全国に構築してきました。そこから年月が経ち、こうした公共インフラも老朽化しており、一気に更新の時期を迎えています。

一方、日本は少子高齢化で人口が減少し、税収の低下がいっそう進行しています。例えば、各地で上下水道の老朽化による陥没事故が多発しているように、現在でもすでに公共インフラを維持更新するための財源が不足し、自治体による行政サービスが追いつかなくなってきています。実は、こうした危機が我が国に訪れることは、2000年代に入った頃から指摘されていました。しかし、官民ともに問題解決に向けての取り組みが遅れていたのが実情です。

インフロニア・ホールディングスが誕生する20年以上前に、グループの中核企業である前田建設工業はこの問題を直視し、解決策を模索してきました。前田建設工業の経営企画部の一員であった私も、これから税収と労働力が減っていくなか、世界的にもレベルの高い日本の公共インフラをどうすれば維持できるのか、海外の事例なども調査しながら研究を重ねてきました。

当時、欧州ではすでに官民連携のPPP(※1)PFI(※2)が導入され、特にコンセッション方式(※3)などによってインフラが運営されていました。現地の大手建設企業は、金融大手と組み、これまでのような、コスト競争に陥りがちな“モノづくり”、つまり建設工事の請負事業だけにとどまらず、企画や設計の段階から関わるようになっています。
さらに、建設工事を経て完成したインフラだけでなく、すでに行政が運用しているインフラの運営や維持管理まで含めて、インフラのライフサイクル全体を一つの事業として捉えています。企業自らが資金を出資し、企画立案・設計・施工・運営・維持管理までを担うことで、収益を上げながら利用者の利便性も上げ、さらに行政の負担も軽減できる仕組みです。
このように、建設業は“モノづくり”から“コトづくり”へと移行しつつあります。
日本でも、いずれ同じ流れになると考えられており、その時代に対応するための取り組みをいち早く進めたのが、現在のインフロニアの源流となっています。

  1. (※1)Public Private Partnershipの略。公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広く捉えた概念。
  2. (※2)Private Finance Initiativeの略。公共施設などの建設・維持管理・運営を、民間事業者の資金や経営能力、技術などを活用することで、効率化やサービスの向上を図る公共事業の手法。
  3. (※3)公共施設の所有権は自治体が保持し、運営権を民間事業者に売却して経営を委ねる方式。

Theme 02

自ら投資し、官民連携事業や
再生可能エネルギー事業を
すべて担う。

そしてもう一つ、我が国が取り組まなければならない課題として、かねてより私たちが強く認識しているテーマがあります。それは、エネルギーに関すること。我が国はエネルギーの自給率がきわめて低く、エネルギー資源のほとんどを海外に依存しています。結果、頻繁に発生する国際紛争によってエネルギーの安定的な確保が妨げられ、コストが為替の変動によって左右され、国民の生活に大きな影響を及ぼしている。さらに、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの需要がいっそう求められており、そうした時代の要請にも対応していかなければなりません。

未来に向けて人々の暮らしに不可欠なインフラを維持し、エネルギーを自給していく。こうした社会課題の解決に貢献していくために、私たちは2011年、建設工事の請負にとどまらず、自らリスクを取ってインフラ事業に投資し、インフラの企画提案から計画、設計、施工、運営、維持管理までを一貫して担う、新たなビジネスモデルを打ち出しました。それが、いまインフロニアが掲げる事業コンセプトである「脱請負」であり、目指すべき姿である「総合インフラサービス企業」です。

その後、日本においてもPPP/PFIについて法整備が進み、インフラの運営や維持管理においてコンセッション方式の導入が図られています。私たちはこの新たなマーケットの先駆者として、愛知県の有料道路や国際展示場、仙台国際空港など、国内のコンセッションプロジェクトを次々と獲得してきました。最近も大阪府大阪市の工業用水道コンセッション事業や、神奈川県三浦市の下水道コンセッション事業、さらにBT+コンセッション方式(※4)による愛知アリーナ建設など、いずれもその分野において国内初(水道、下水道は管路も含めたものとして国内初)となるプロジェクトの獲得を積み重ねてきました。さらには太陽光だけでなく、バイオマスや風力発電ビジネスにも進出し、こちらも発電設備の開発から運用、保守まで自社で投資して事業を拡大するなど、総合インフラサービス企業として新たなチャレンジを続々と繰り広げています。

  1. (※4)事業者が自らの提案に基づいて設計・建設を行い、完成後に所有権を自治体に移転した後、自治体が事業者に公共施設等運営権を設定して維持管理・運営を行う手法

Theme 03

日本の強みを活かした
コンセッション事業を確立し、
世界に挑んでいく。

2021年、私たちはホールディングス化し、これまで培ってきた土木・建築・舗装・機械・インフラ運営の技術やノウハウをもとに、社会課題解決に向けて大胆に事業を推進できる体制を整えました。さらなる成長に向けては、社会課題解決に直結し、成長が期待される官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資をいっそう拡大していきます。そのために必要とされる経営資源を強化拡充していくために、M&Aもさらに推し進めていく考えです。私たちにはない強みを持つ国内外の有力な企業とパートナーシップを組み、多様な人材の能力を結集して大きな価値を生み出していきたい。そして私たちが国内で築き上げた官民連携で公共インフラを建設・維持管理・更新していくスキームを、ゆくゆくは海外に輸出していきたいと考えています。

いま私たちが各地で手がけるコンセッション事業は、もともとは欧州発のスキームであり、それが北米や豪州に普及し、日本にも導入されました。海外への事業展開にあたっては、先行する世界のインフラサービス企業と競っていくことになりますが、我が国のモノづくりの力、そしてつくり上げたシステムを正確かつ安全にオペレーションしていく力は、やはり世界でもトップレベルだと思っています。そうした能力を基盤とした、日本型のコンセッション事業を確立できれば、将来巨大な官民連携市場が現れるアジアやアフリカにおいて優位に立てる。この分野で我が国を代表し、世界と伍して戦える企業を私たちは目指しており、日本型の優れたコンセッションを実現するためには、モノづくりのテクノロジーはもちろん、ファイナンスやリーガル、デジタルの専門性もかけあわせていかなければなりません。そのためにも人材の多様化、ケイパビリティの多様化をいっそう図っていきたいと思っています。

Theme 04

既成概念を打破し、
社会を変えていくことに
喜びを覚える方とともに。

官民連携によるインフラサービス事業は、私は本当に大きな意義があると思っています。少子高齢化と人口減少が加速する日本において、老朽化が進む社会インフラを維持して更新していくには、国や自治体の財政ではもはや賄えず、官民連携が絶対不可欠になる。しかし、諸外国と比べて日本は公共性の高いインフラはやはり行政が管理すべきだという考えも根強く、そうした既成概念が健全な社会の発展を妨げているところも大きい。私自身のこれまでのキャリアを振り返れば、そうした公共の「インフラはこうあるべきだ」という既成概念との格闘の連続でした。そしてようやく、私たちが本当に進むべき道が拓けてきた。しかし、日本が抱える社会課題の解決に向けては、まだまだ打破すべき既成概念がたくさんあります。そこに一緒に挑んでいただける方、自らの仕事に誇りを持って絶えずポジティブに行動できる方を、私たちは求めています。

この仕事の成果は、世の中の仕組みが変わり、それを目の当たりにできること。そして、社会への貢献をまさに実感できることです。もちろん容易なことではなく、果敢に挑んで空振りすることも多々ありますが、さまざまな困難を突破して打ち込んだ一撃が、特大ホームランになった時の興奮は計り知れません。私たちが取り組むことに百発百中で結果が出ることはあり得ないと思っていますし、失敗しても構わない。そこから学びを得て、社会をより良くするための風穴を開けることに挑み続ける、そんな人にぜひインフロニアに参画していただきたいと思っています。

Column|Answering Question by Question

社長一問一答

Q.社会人1年目の自分にメッセージを送るとしたら、どんな言葉をかけますか?

自分の専門領域以外に目を向け、リベラルアーツや語学などを積極的に学んだほうがいいと伝えたいですね。その重要性を私は年齢を重ねてから理解したのですが、いろんな世界の先人の知恵に触れると新たな発想が得られ、ビジネスにも自分の生き方にも大きなヒントになる。それを若いうちから実践しておけば良かったと思っています。

Q.重要な意思決定をする際に、最も大切にしている判断基準は何でしょうか?

自分個人の利益よりも、所属するチームの利益になることを。さらに、チームよりも会社、会社よりも業界、業界よりも社会と、より大きな単位で有益になることを優先して意思決定することを心がけています。若い頃から、会社にとってマイナスになることでも、社会にとってプラスになると思ったことは直言していましたね。それでよく上司とぶつかっていました(笑)。

Q.現在のビジネス観を形成するうえで、大きな影響を受けた経験や出来事があれば教えてください

リベラルアーツに大きく影響を受けました。会社の意向で参加した外部の経営塾では1年間、哲学、歴史、文化など多くの分野に触れました。これを機に業界や世界について幅広い視点を持つことの重要性を学び、今に繋がっていると感じています。既成概念に捕らわれることなく物事を見定めたいと思う方には、リベラルアーツに触れていただくことをお勧めします。

Q.これからの時代において、ビジネスパーソンに求められるマインドセットやスキルはどのように変化していくと思いますか?

本質的な思考力がより問われていくと思います。いまはWeb上に表層的な情報があふれており、いくらでも手に入る。さらに生成AIなども普及しつあり、わからないことを質問すればすぐに答えが返ってくる。しかし、それが絶対的に正しいとは限らないわけで、フェイク情報に扇動されない自律した思考力を養っておかなければ、肝心な時に落とし穴に嵌るかもしれません。

Q.「この人と一緒に働きたい」と思うのはどんな人ですか?

先ほどお話ししましたが、何事にもポジティブな方がいいですね。人がまだやっていないことを手がけるのが好きで、権威には反発するぐらいの方がいい。私自身がそんなタイプの人間ですから(笑)。

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